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でも、答えなきゃいけない。
でも、言葉は喉を通らない。
どうしよう……。
「わりぃ、本気にすんなよ」
杉田はそう言って俺の頭に手をのせた。
だけど、俺にはわかってしまった。
それは、嘘なんだと。
俺のために杉田がついてくれた、優しい嘘なんだと。
俺にはわかった。
わかってしまったんだ。
でもさ、ごめんな。
杉田。
「なんだよ。びっくりさせんなよな」
俺は、このままでいたい。
杉田とは友達でいたい。
恋人にはなれない。
だけど、他人にもなりたくないんだ。
ごめんな。
俺はそういう意味で、杉田が好きなんだ。
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