俺の名前は菅野勝。

自分でいうのもあれだけど、性格は悪い。
友達なんて一人もいなかった。
いやね、ほしいなんて思ったこともないけど。

おかげさまで勉強はよくできたよ。
わりと好きだな。
成績はいつもトップだった。
俺は誰よりもすぐれた人間だと思っていた。

なのに、高校に入ってからというもの、俺は二番手。
初めての敗北だったかな。

驚いたなー…

いや、たたきつけられたみたいだったよ。
目の前がかすんで、俺の中で何かが壊れた。


今でも、よく、覚えているよ。

忘れたことなんてない。


どれほどの屈辱だったか。

中佐都、あんたにはわからない。
軽々しく、俺の唯一のものを持って行ったんだ。

中佐都、あんたの唯一は別のものなのにね。


本当に、ひどい話だよ。


機械みたいな顔してさ。
まぁ、中佐都、あんたのおかげで、俺は、こうして笑っていられるんだけど。

感謝なんてしないよ。


俺は性格が悪いんだ。

生まれ持ったものは簡単になおらないなー。
あんたなら、わかるだろ。

人づきあい。
あんたも苦手だもんな。

とりえは頭の良さだけ。
まるで、俺みたい。

俺みたい。
同じだって始めは思ったかな。

でもね、中佐都、俺は知っているんだよ。
あんたは俺と違うね。

本当は、求めているんだ。


成績よりも、クラスの輪にはいりたいと。
だけど、勇気が持てなくて、不器用で。


笑えた。


俺は、中佐都、あんたみたいな、馬鹿に一番をとられたんだ。
だから、俺は中佐都の一番ほしがっているものを全てとってやる。
そう決めた。

だって、これじゃ、不公平なんだ。






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