「す、すき…?」

「ああ、俊之に会わない夜は、キスしたいとか、いろんなことしたいとか考える。でも、いつも、次の日、俊之の顔を見たら、もう一緒に居られるだけで幸せすぎて、歪んだ感情は何処かへ行っちゃうんだ」

健気だろ、とユウは笑った。
俺もくすぐったくて笑った。

「それに…そういう、恋人みたいな進展…俊之は望んでないと思っていた」

「え、あれ?」

……もしかして、俺の言葉は、
さっきまでの問いかけは、下手をしなくても
キスしてほしいとか、ねだっているような感じに聞こえたのか?

「俊之が望むのなら、俺は何だってしてあげるよ?」

ユウは幸せそうに瞳を細めて俺を見つめた。
俺はすごく恥ずかしくて、でも嬉しくて、ただ首を横に振った。

「俺は…ユウが、俺のこと好きでいてくれるなら、恋人でいてくれるなら、他には何も…」

何もいらない。
でも、キスしてみたいと思ったとか言ったら、ユウはどういう顔をするだろう。

おずおずとユウを見つめると、ユウは顔を真っ赤にして俺を抱きしめた。

「……そんな顔しないで、俊之」

「そんな顔って?」

「いや、なんか、目がとろんとしていて、エロい」

「え、ごめんっ」

変な顔していたのかなって俺は自分の頬に触れた。
するとユウはさらに俺を強く抱きしめて、優しく囁く。

「キス…してもいいかな?」

「うん」





fin




熊猫さま、2周年リクエストありがとうございました。いちおもうひとつ季節的に『トリックオアトリート』のお話もよかったら…!






[*前] | [次#]
戻る→



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -