「え?」

「不安になるだけなんだよ…。
俺が馬鹿なだけなんだよ。
だから、ゲンは、悪くないし。
俺、別に付き合いたくないなんて
考えたことないし」

「好き? 俺のこと。
ちゃんと、
好きでいてくれている?」

「な、あた、あたり前だろ。
じゃなかったら、付き合わないし」

「じゃあ、どうして、いつも、
悲しそうな顔してるの?
俺、サトが好きだよ。
だから、怖くなる。
俺、サトのためになれてる?」

普段の澄まし顔からは想像もつかないくらい、泣きだしてしまいそうな表情でゲンは俺を見つめた。

「俺、サトが好きなのに…」

「ゲン、俺ね、不安なんだ。
幸せ過ぎると、怖くなるんだ。
ゲンは、何も悪くないよ。
信じてあげられない、
俺が、いけないんだ」

「サト」

「ごめんな。幻滅した?
今も、ずっと、
付き合いだしたあの日から、
いつか嫌われてしまうんじゃないかって、
考えてしまう。
いつか、ゲンも、
俺をおいていくんじゃないかって、
考えてしまう。
最低だろ?」

「最高だよ」

「え?」

「でも、ごめんな。サト。
俺、お前に不安な想いをさせていたことに
気付いてやれなくて」





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