そんなこんなで、転校してから三日後のことだ。いつの間にか変な噂が流れていた。どうやら俺はこの学園のアイドルを馬鹿にし、さらには生徒会長に喧嘩を売ったらしい。なんてったって俺にそんな度胸があるとみんな思うのだろう。そんなことできるわけもないの…にって、少し、心あたりがあるような気もするが…。

「安心しろ、顔は殴らないでいてやる」
体育館裏に呼び出されたかと思うと何人もの生徒に囲まれた。彼らはなんたらさんの親衛隊とか名乗っていたけど、俺なんか殴ってなんになるのだろうか。なんたらさんが喜ぶのだろうか…?
「んだよ、その顔!」
「そうだ調子に乗れるのも今日までだ!」
……親衛隊さん。俺、どんな顔してますか?そしていつ俺が調子に乗ったんでしょう?などと疑問に思ったけども、それを口に出したらもっと大変なことになると本能が気がついたのか俺はただ冷や汗を流しながら少し彼らと距離を取る。

その時だった。

俺に殴りかかろうとした親衛隊さんたちが次々に地面にたたきつけられたのは…。
「え?」
思わず、腰が抜けた。それでも俺は目の前で起っていることから目がはなせずにいる。まるでドラマのワンシーンを見ているかのようにも感じた。
そして、まるで恋をしているかのようにも思えた。

いきなり親衛隊さんたちを全滅にした短髪の大柄な人。俺には一目くれずに何処かに立ち去って行ってしまったけども。

俺は自分が守られたかのような幸福感を感じてもよかったでしょうか?





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