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「怒ってない?」

「不思議とな」

「そっか」

ホッとしたように笑う堂島を見ていたら、俺もどこかホッとした。
今晩は二人でご飯を作ろうって言って、食材を冷蔵庫からあさった。
結局サラダとチャーハンになったけど。



*****


「ごうちそうさまでした」

夜ごはんを食べ終えると、堂島に最近感じていた不安とか葛藤を話してみた。
堂島はただ真剣に俺の話しを聞いてくれた。

「頑張っているんだね」

なんて、優しい声で堂島に言われると、まだまだだと思った。
俺はまだまだだと。

「ううん。もっと明日から頑張る!」

話しを聞いてくれてありがとうとは言えなかった。
でも、俺が吹っ切れたことが嬉しそうに堂島は笑う。

また堂島に惚れてしまったような気がした。






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