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「……なんて、あの日、思いっきり俺は我儘をいって理季さんを引きとめたけど、理季さん、今幸せですか?」
1年前のことを七里は聞いてくる。
俺は変わらず、コンビニの前でいちごミルクを飲みながら「さぁな」と答えた。
「ただ、言えるのは、俺、やっぱりあの日、大嫌いだった俺の人生を終わらせたんだ」
「え? え、なんで、理季さん、死んでないよ、ここで生きているよ!」
「七里。俺、死にたいなんて言ってない」
「あ、れ?」
「俺はただ、終わらせたかったんだ。コンプレックスで生きるのも、人のこと疑うのも、ずっと思い出に囚われるのも、みんな」
だって、馬鹿らしいだろ。
そんな人生。
「難しかったけどな、まだ本当は、自己嫌悪とか、過去のこと思い出して吐き気するけど、七里がいてくれるし、俺には七里がいるんだって思ったら、思えたら、もう、怖くない」
明日は何処へ向かうのだろうって考えないよ。
俺は明日も君に向かって微笑むんだから。
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