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「嫌です。そんなの、俺、悲しいです」

「じゃあ、俺にずっと悲しい思いしろって言うのかよ、お前は!」

楽になりたいんだって俺は言った。
すると七里は本当に泣きじゃくって言う。

「俺が、俺が貴方の幸せ、探します。貴方が自分に自信がつくように、信じられるように疑わなくていいように、俺が」

「……何それ、馬鹿じゃないの」

「馬鹿でいいです。何でもいいです」

「?」

「貴方が、貴方が、悲しいだけの人生で終わらせるなんて、俺が、俺が嫌です」

「な、七里?」

「たまたま、たまたま、貴方は運が悪かったんです。たまたま貴方の魅力がわからない会社に入って、しまっただけで。だから、それで自分のこと卑下しないでください。貴方の世界にしたら、大きいかもしれませんが、そこで嫌われたからって、全人類に嫌われたんじゃないです。それに、全人類に好かれる人なんていないです。だから、そんなに責めないで下さい。上手く言えませんが、俺は、その…っ」






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