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「好きになるのに、小さな理由なんてないです。理季さんが理季さんだから、好きです。俺、まだ理季さんのことよく知らないですが、これからも理季さんの隣にいたい」
「ば、だから、なんで、そんな」
「いたいから、そばにいたいから、一緒にいたいから、もっとたくさんお話したいから、もっとたくさん貴方に俺のこと知って欲しいから、もっと」
「………ごめん、信じられない」
理季さんは嬉しそうな顔をした後、すぐに俯いて、言った。
その姿があまりにも辛そうで、俺は次の言葉が出てこなかった。
「でも、信じられる、ように、なりたい…」
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