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「それが俺が、あの日、ナイフを持っていた理由。昔いた会社で暴れてやろうとしたんだ。馬鹿らしいだろう」

なんだかんだと話しかけてくる七里と、仲良くなった俺は、ある日、いちごミルクを飲みながら、そんな話しをした。
すると、七里は力一杯首を振る。

「馬鹿らしくなんてないです。理季さん」

「そうか?」

「はい、思いとどまって下さってよかったです」

七里は辛そうに瞳を揺らすと、俺の顔をじっと見つめた。

「七里、そのな、俺の顔じっと見るのやめてくれって」

「どうしてですか?」

「どうしてって、困るから」

俺の顔なんてじっと見たら、ばれてしまうんじゃないかって思って。
いや、もうばれているかもしれないが、俺の顔、綺麗じゃない。
って、なんでそんなこと気にしてんだろう。
わかんないな。
本当、わかんないよ。こうして七里とコンビニの前でのんびりと会話するようになったいきさつも、よく覚えてないし。






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