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「理季さんって呼んでもいいですか?」
「………え、あ、はい」
理季さんはやっぱり戸惑ったように視線を落とした。
そりゃ、急にコンビニの店員に手を握られて、下の名前で呼んでもいいかなんて非常識にもほどがある。
そう、俺はわかっているのに、今、彼に声をかけないと、二度と彼に会えないような気がして、必死だった。
必死だったんだ。
いつも、何事も、適当な俺が。
「あ、すみません。お会計まだでしたよね」
わざとらしく、俺は会話を戻した。
名残惜しい気持ちを胸に抱えつつ、理季さんの手を離した。
「えっと、合計で、439円になります」
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