そんな事件から数日たった日。
また俺の周りはつまらない日常と化していた。

だから、時間があれば俺はコンビニへと脚を運んだ。
もしかしたら今日も何か起こるかもしれないと。

でも何も起こらない。何も。

人生なんてこんなものかと俺は溜息をつくと適当にジュースを手にとってレジに向かった。
そこにいたのはこの前、強盗にナイフを突き付けられていた店員だった。
店員は俺の顔を見るなり何か言いたそうにして、何も言わなかった。

コンビニを出て、俺は思った。


「そうだコンビニの店員になろう!」


今さっきでたばかりの自動ドアをまた通ると、俺は高らかに言った。

「あの、店員になりたいんですが!」

すると例の店員は嬉しそうに俺の方を向いて「人手不足で困っていたんです。よかったら、是非!」と言って、人手が足りなくなったのはあの事件のせいだと説明までしてくれた。
ああ、なんてこったい。
あんなに素晴らしい非日常を経験してやめるなんて…






[*前] | [次#]
目次に戻る→

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -