気がつけば、俺は友達数人に引きずられるようにして、せっかく出会えた非日常から遠ざけられてしまった。

「雪月、お前がものめずらしいもの好きなのはよく知っているが、ああいうのは関わらない方がいい」

幼なじみの友人は真剣な顔をして俺に言う。
いつも聞いている言葉なのに、とても今日は心底思いつめた顔をして言う。
さすがの俺も少し悪い気がして「ごめん」と謝った。

でも、俺は…

「ごめん、やっぱり、コンビニに行ってくる!」

みんなの手を振り払って、コンビニへ戻った。



するとコンビニの前にはパトカーが止まっていて、無事に強盗犯は逮捕されたみたいだった。

店内では強盗犯にナイフを突き付けられていた人が、懸命にお礼を言っていた。
なのにお礼を言われている人(犯人に後ろからナイフを突き付けていた人)は伏せ目がちに無愛想に、こう言ったのだった。

「ただの通りすがりのヲタクです、お気になさらず」






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