「どうして帰らないといけないんですか?」

俺はインターホンに近づいて抗議した。
先生の息を飲む音が聞こえて、ほほえましく感じた。

「馬鹿、授業あるからにきまっているだろ!」

「どうして授業があるから帰らないといけないんですか?」

「学生だからだろ」

「学生だったら授業に出ないといけないんですか?」

「そうだろ」

「どうして?」

「どうしてって、そりゃ、将来のことが」

「将来なんて、今はいりません」

「後悔する日が、くる、だから帰れ」

「今帰ったら、後悔します。俺、帰りたくないです」

「どうして?」

「真鍋先生のことが好きだから」

「だから、お前はなんで俺にそう言うんだ!?」

「好きになることに理由なんて必要ですか?」






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