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「…え?」
「ごめん、つい。でも、陽介、そんなに考えなくていいよ。簡単だよ。俺の考えていることは陽介のことだし、うん、本当、何してても考えているくらいだし、陽介が俺にどうしたらいいのかわからないとか考えてくれているのは嬉しいけど、それで悩んで疲れられたら、悲しい。俺はね、俺と一緒にいてくれたら嬉しい。俺のこと好きでいてくれているのも嬉しい。言葉が欲しい時もあるけど、やっぱり陽介が俺の隣にいてくれることが一番いいな。うん、だから、他の子とか、言わないでよ。俺、陽介のこと本当に大好きなんだから、さ!」
そう言い終わると、高志に抱きしめられた。
「でも俺のこと考えてくれてありがとう、嬉しい気持ちも本当だから」
「……っ」
「それに不安がらなくても大丈夫だよ。陽介はいつも言葉はきつくなるけど、俺ほど陽介のこと好きになるとね、わかるんだよ。君の本心はもっと優しいものだって。ね、俺の妄想じゃないよね?」
「…そう、だよ…俺は」
お前のことが好きだよと言おうとして顔を上げたら、そのままキスをされた。
はじめてのキス。
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