ずぐずぐと泣きだした裕也に俺は困った。
本来なら、こんな人前で泣くなよって思うだろうに。
今はどうしてこいつはこんなにも俺に一生懸命にしてくれるんだろうって。
困った。
勘違いしそうだ。
裕也にとったら俺はただの幼馴染かよくて親友だっていうのにな。

「気持ちだけは受け取っておくよ」

ありがとうなって俺は裕也の頭をなでた。
すると裕也はいきなり俺とガッツリ視線を合わせる。

「返事をちゃんとしてよ!」

「今、したよ。これからはできるだけ気をつけるようにするって」

「……それもそうだけど、そっちじゃなくてっ」

「何? 何の返事?」

「俺、哲也のこと好きだって言った。哲也は俺のこと…」

すがるような視線に、俺は一度目線を外した。
そして、再び裕也を見つめると、覚悟を決めた。

「幼馴染だと思っている」

本当は君のこと大好き。
大好きすぎるほど、大好き。

俺の思い通りに動いてくれるし使いやすかった。
でも、君に俺はもったいない。
そう気がついたんだ最近。






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