理想と違う毎日でも
俺、柳原哲也は完璧主義者だ。
自分で言うのもどうかしているが、さわやかスポーツ少年だ。
何事も努力なんてしなくても、できる。
そんな風に振る舞っている。
でも、その実態は、ただの憶病だ。
俺、柳原哲也は計算高い。
自分で言うのもどうかしているが、腹黒だ。
何事も自分の計算したとおりに物事が動かないと嫌だ。
俺は誰にも自分のことを支配されたくないと感じている。
なのに、高校になって再会した幼馴染の脳天気さ。
それと言ったら本当に意味がわからない。
一度、どうしてそんな風にしていられるのかと尋ねたことがあった。
だってさ、君は天才なのにアホなんだから。
よく考えたら自分が損をするってわかるはずなのに…
いつも一直線にお節介を焼いたりする。
『さぁ、そう思ったからそうしてんじゃないかな。よくわからない』
それが君の回答だった。
俺の方こそ、君がわからない。
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