「どうしてそんなことを俺に聞くんだ?」

「だって、哲也って黒魔法とか使ってそうじゃん」

「使ってもないし、知らないよ、そんな魔法は」

「そっか…」

本当に残念そうに裕也は肩を落とした。
スラリとした長身が丸くなる。
俺はその頼りない姿がとても好きだ。

普段、カッコイイだけに、裕也のこういう時の弱々しさはいい。

「天気になってほしいのになー」

大きな溜息とともに裕也は瞳を伏せた。
いったい何があったのだろう。
何をそんなにも必死になっちゃっているのだろう。

少し、いらいらしてきた。

「ね、裕也そんなに気になるなら、全裸になって、運動場の真ん中で、神さまにお願いしたらいいんじゃないかな?」

「え…」

戸惑った通うな顔をして、裕也は固まった。
でもしばらくして、何か決意を決めたように、だらしない制服を脱ぎ出した。
このままそれを見学しているのも悪くないけど、俺の他にも人のいるところで肌をさらすのはどうかと思う。

「裕也、本気にするな、冗談だ」






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