無理矢理な愛情表現




小池部長の先輩さんは今日もいじわるでした。
ですが、俺、最近気づいてしまったんです。

あいつも、好きなんだって。

部長のこと。


それは無理矢理な愛情表現でした。
傷つけることでしか、示せない。
まるで、小学生みたいなことをするんだなと思いました。

「小池」

先輩さんは仕事中にも関わらず、真剣な目をして、部長を見つめられました。
これは、やばいんじゃないのか、と俺は、身構えてみたものの、俺、此処じゃ何もできないことを思い出しました。
いえ、考えすぎです。
オフィスで好きな人を一方的に押し倒すなんて、きっと、俺ぐらい馬鹿じゃないとできないと思うんです。
それに、今はまだお昼で、周りにはたくさんの人がいました。
大丈夫。
俺は自分にそう言い聞かせて、速まるだけの鼓動を抑えつけました。

あなたのことになると、本当に、余裕、持てないです。俺。

「なんですか?」

無邪気な顔して、あなたは聞きました。
あれだけのことをされていても、どうしてそんなに普通に話せるんでしょうか?
疑問にも思いましたが、そのおかげで、俺も普通に話してもらえている気がいてならないので、ま、気にしないことにしました。

「俺のこと、どう思う?」

ちょ、直球です。
何なんですか、昼ですよ、仕事中ですよ、会社に何をしにきているかわかっているんですか!

と、俺は先輩さんを責めたい気持ちになりましたが、
俺も、当てはまっていることしかない気がしたので、ここは多めに見てあげることにしました。

俺ってこう見えても心広いと思うんです。





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