=丹羽side=


どうしてでしょう。

部長に「誰?」と聞かれて「妖精です」的なことを言ってしまったのは、やはり、都合がいいからでしょうか。

この人なら、未来から来たんだよね、発言をしても信じてくれそうだけど、なんか、妖精さんです、という方がいいと思ったんです。

ま、小池部長にしか、俺は見えてないみたいですし。

いえ、部長に俺が見えるだけでも、このうえなく、今嬉しくて仕方ないですが。


丹羽くん。丹羽くん。と無邪気に呼ぶあなたはかわいすぎてやばいです。

確かに、元いた世界のあなたもかわいいですが、上司とか部下とかいろんなものをはねのけたらこんな感じで接してくれたりするのかなって、考えたりもしました。
神崎課長にはべたに甘えているような気はしていたのですが、ああ、それはただ、おなじ土台にいるからにすぎなかったんだな。と思えて、なんだか嬉しかったりしました。



それからとういもの、俺は、いつも部長を見ていました。
辛い目にばかりあっておられましたが、俺と目を合わせてはかすかに笑ってくれました。
仕事が終わると、オフィスに残って、俺と話してくれたりもしました。
相変わらず、小池部長は俺のことを妖精だと信じています。
だから、俺は妖精気取りでいました。
あなたの素顔を見ていて、いつか、今のあなたもこうして、気がねなく笑えるようになってくれてらな、と考えたりもしながら。
俺は此処にいても、あなたに夢中でした。





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