権力にものを言わせて



=丹羽side=


失望しました。
こんな会社だったのですか?
誰に聞くわけもなく、一人で、俺は落ち込みました。
今からでも、父に掛け合いに行こう。
そうも考えてのですが、俺、まだ、この時間帯には赤ん坊です。
それに、こうして、忙しいオフィスで突っ立っていても、誰も俺に目はくれません。
たぶん、見えていないのでしょう。

これは夢のなかの話です。
あくまでもこれはリアルな夢なんだと俺は思います。
もしくは、俺の魂か何かが、寝ている間に抜け出して、ここにいるのかもしれないですが。
実は俺よく、こんなことに巻き込まれます。
そして、何日も帰れない日があったりします。
これはいつもまるで、ゲームでした。
誰か、一人、もしくはそこに渦巻く何かを解決したら、俺はいつもの世界に戻れるんですが。
今回はどうしてここにきてしまったのかと考えます。

ま、若い部長を見れたのは、計算外な喜びかもしれません。

あんまりな世界ですが。
俺は、あなたに会えたことを喜んでしまいます。
まだ、ここにタイムトラベルまがいをしてきた理由はわかりませんが、あなたが何か辛い想いをしているなら、助けてあげたいと心から望みました。
俺は、不思議と、今回は、恐怖を覚えませんでした。
いつもこういった状態になると不安でしかたないのですが、なんだか今回は、俄然やる気です。
なんなんでしょうか?
飛ばされたのが、いつも知っているところで、大好きなあなたがいるからでしょうか?

わかりませんが、俺、このよくわからない出来事に初めて感謝しました。






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