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「柏さんっ」
俺は柄にもなく大きい声を出して、手を振りました。
すると、柏さんは困ったように俺の方を振り返りました。
「ま…しま…?」
どうしてここにいるんだって、貴方は言いました。
俺は貴方を追ってきたんですよと正直に答えました。
「ストーカーみたいですか。不信感を与えていたらごめんなさい」
決して俺は貴方に恨みがあるわけじゃないんですよ、と俺は説明しました。
「ただはじめは…俺の、お兄ちゃんって言っても歳離れすぎなんですが、孝吉と仲良かったって聞いていたから…」
気になっていたんです。
でも、柏さんも俺のこと好きでいてくれていますよね、今。
「正直、俺は、貴方を恨んでました。でも、もう、みんな過去のことです」
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