１１
「何がおかしいんだよ、健一」
「だって、俺のことばっかなんで考えるの？」
「だって、俺は健一が大好きなんだって」
「…ぁ、でも」
「でも…じゃない。俺は、健一の幸せとか楽しむ姿が見たい。何も責めたりなんてしないよ。俺はただ健一のためになりたかっただけなんだ…なのに、俺が健一を今縛り付けているんだろうって思ってさ」
「そんな…」
「そんなことあるよ。だって、健一は俺に後ろめたくて、必死に恋を忘れようとしている。そんなの、俺が嫌だ。確かに、健一の隣が俺じゃないのは耐えられないけど、健一が一人で泣いているの、もっとヤだな」
「馬鹿…なんでそんな、こと」
「だから、俺は健一が好きすぎるんだって」
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