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「は、なんだよ、何の話だよ、気持ち悪いな」
ノートパソコンを閉じると、淡々とそう言って、新藤は振り向く。
「き、きき、気持ち悪いとか、思っても言うなよ!」
「だってそうだろ、急に」
まっすぐに新藤が俺を見る。
俺は急に居心地が悪くなった。
「確かに急かもしれないけど、俺、わかったんだ、今さらだけど、新藤の気持ち」
「……植木先生、その話はここではやめてください」
「は?」
急に敬語とか使われて、俺はちょっと頭が冷えた。
「ここは職員室だ。勘違いされたいならいいけど」
だんだんと小さくなっていく新藤の声に俺は疑問に思った。
「え?」
そして、俺は周りを見渡すと、
みんな先生方、俺のこと変な目で見ている。
ひそひそしている。
俺、何、天野状態じゃん、俺を殴りにきた、あの時の天野状態じゃん。
俺は何もわるいことしてないのに!
「どうして誰もわかってくれないんだー!」
今なら、あの日、天野が叫ぶように、自分の想いを主張した意味がわかるよ。
今なら、わかるよ。
勘違い、されたら、辛いわ。
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