先生、僕やっぱり帰宅部に入ります。
=植木Side=
「植木先生、これ、入部届です」
そう言って市原は入部届けを俺の前に差し出した。
そこには『帰宅部』と書かれていた。
「市原…?」
「僕も何か主張したくなったんです。いちお受け取って置いてください」
「まぁ、市原がそういうんだったら、もらっておくけど…」
俺はどうして急にこんなことをするんだと市原に聞きたくなった。
まさか天野と何かあったのかなんて聞きたくなった。
なのに、俺のそんな葛藤も無視して市原は「はい!」と気持ちのいい返事をした。
俺は何も聞けなかった。
俺は、何が何でも、君を欲しいと思った。
思ったんだけどな…
*****
「新藤」
俺は帰宅部の副顧問になるとか言いだし、市原の幸せを見ていたいとか言った変人に声をかけた。
「植木」
どうしんだ? と新藤はこっちを見る。
「俺も、新藤の気持ちよくわかった…気がする」
市原の幸せを見ている、それだけでいいとか…
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