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「帰宅部とは、何をしているんだ?」
ある日、相談室に集まった僕たちのもとに、お父さんがやってきた。
警戒する僕たちだけど、天野くんはにっこりと笑うとお父さんのもとに駆けよっていく。
「お忙しい中、わざわざ、ようこそです」
相談室の扉から少しだけ顔を出していたお父さんの腕をつかむと天野くんは、適当なパイプ椅子を持ってきて、そこに座らせた。
みんな、言葉をなくしていた。
「さぁ、今日は帰宅部について、俺、天野が、改めて説明します!」
右手を挙げて天野くんはホワイトボードに触れた。
「いいか、帰宅部ってのは青春の詰め箱だ!」
「詰め箱って…」
羽場くんが小さな声で呟いた。
乃木くんはいつの間にか、お父さんと羽場くんの間に座りなおした。
真城くんは首を傾げて、
植木先生はつまらなさそうに、頬づく。
僕はただ
天野くんのきらきらする瞳に吸い寄せられるような
気持ちになった。
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