…あの、今日って帰宅部ありますか?
=真城side=
天野が体育館に入っていった。
今日も帰宅部の話し合いがあるのかな?
俺はそんな軽いノリで体育館の中に入った。
するとそこには校長と天野が二人向き合っていた。
「え?」
なんで、どうして…?
俺は困惑した。
「…あの、今日って帰宅部ありますか?」
しばらくの沈黙の後、俺が発した言葉はそんなもので、
天野はこっちを向いて笑った。
「真城、帰宅部はいつでもやるからな! 俺がいて、真城みたいに、そうやって帰宅部を求めてくれる人がいたら、いつでも、そこに帰宅部はあるんだ!」
「俺は許可してないがな」
校長は淡々と言った。
帰宅部設立の解約書は捨てたと。
「個人の自由です。公な活動はしないですが、友達間で、やるんです」
だから、もう、契約書とかいらないんで、気にしないで下さいと、天野は校長に向かって言う。
天野ってすごいなって心の奥で思った。
誰に対しても、そうやって物怖じしない強さが、
「あ、そうだ、校長もどうです、帰宅部のこと知ってから否定しいませんか?」
「あ、天野、校長先生に失礼だ」
俺は見ていて冷や冷やしてきた。
ああ、俺ってこういうめんどくさいことには関わらない人種だったはずなのに。
「くだらない」
……?
俺は校長のその一言に、イラっとした。
「校長先生、よかったら、天野くんの言う通りに、一度帰宅部のこと知ってみたらどうですか?」
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