「ああ…」

なるほどなって顔をして、乃木くんは頷いた。


そして、

「天野、何しょげてんだ。お昼食べよう。ほらほら、市原の隣どうぞ、俺は羽場の隣でいいから」

テキパキと乃木くんは天野くんを席に着かせた。


「ほら、天野はカレー食べる? ここの美味しいんだ」

「え、ああ、一度は食べてみたいと思っていたんだ。けど、俺は、ピラフが好きだ! 食堂って言ったらピラフだ、乃木」

「…いや、カレーだ」

乃木くんは向かいに座る天野くんをまっすぐに見つめると、真剣にそう言った。


「カレーこそがここの一番だ!」

「いいや、ピラフだ! いくら、乃木だって俺は譲らないね。ここの名物はピラフだ。いいか、乃木、そこで待ってろ! 逃げるなよ!」

わかったな、とか言いながら天野くんは食券売り場に行った。





「…で、羽場、市原、何の話をしていたんだ?」

迫力をもった言葉で乃木くんは僕たちを見つめた。


「その、乃木、あとでちゃんと俺から話すから、今は、見逃してくれ」

「いいけど…」

あ、乃木くんが寂しそうな、顔をして、いる。



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