「隠し事?」

天野くんは小さな声でそう言った。


「や、言いたくないんだったら、俺はいいんだ」

そんなことよりも一緒にご飯いいかなって、天野くんは明らかに無理に笑う。
胸が痛んだ。

「「……あ」」

僕も羽場くんも次の言葉が見つけられなかった。
本当のことを言ったら、天野くんは気にする。
羽場くんとただ天野くんのことを思ってこそこそと計画立てているとか…
知られたくない…
かといって、何も言わないのは天野くんを傷つけてしまう…

どうしよう…

羽場くんと目を合わせる。
ああ、羽場くんも、困惑している。


「あ、何してんだ、みんなして」

「乃木ぃ〜」

急にカレーライスを手にした乃木くんが現れた。
羽場くんは、親に泣きつく子どものように乃木くんの名前を呼んだ。
きっと助けを期待してのことだと思うけど…

乃木くんは何も知らないんじゃなかったっけ…?






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