だが、これは、ない、でしょ
「え、でもそれは危険だと思う」
「いや、でもでも、ここはちょっと大胆に出るべきだと思うんだ」
「だが、これは、ない、でしょ」
「「え?」」
突然、天から降ってきた言葉に、僕と羽場くんは顔をあげた。
「「植木先生!」」
「お前らな、ここは食堂だぞ、仮に端っこだからって、平気でそんな話をするんじゃない。だいたいな、自分たちの可愛さに気もつかずに…」
やれやれと植木先生はため息交じりに首を振った。
「あー、市原に、羽場ぁ!」
「天野くん?」
「植木先生も、いる。何々みんなで集まって!」
にこにこと天野くんは笑いながらこっちに来る。
僕はあわてて首を振った。
羽場くんもあわてて首を振っている。
植木先生は、そんな僕たちを見て大爆笑した。
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