すると、羽場は市原のとなりですやすやと眠っている。

ほほえましい光景だった。

市原も羽場も、細っこいし儚い感じがするから、二人が寄り添っているとまるで…

「猫みたい」

「俺も、そう思ったよ、乃木」

乃木と二人して笑うと、俺も横になった。
俺の部屋がこんなにも狭いと感じたのは、はじめてだった。

「乃木も、転がらないか?」

「ああ、俺は、今日はバイトだから、この辺で帰る」

本当にいろいろとありがとうと言い残して乃木は帰った。
そこで、もしかしたら、と、いう可能性に気がついた。

「おい、羽場、お前はバイトないのか?」

大丈夫なのか?
何度も何度も呼びかけた。

すると目を覚ましてすぐに羽場は叫び声をあげた。


「忘れてたー!」


今からバイトに行くよって、言い残し羽場もそくさか俺の部屋を後にした。

最後にありがとうと羽場も言ってくれた。

俺は嬉しくて温かい気持ちで、市原を見つめた。
たとえ、意識をなくしていても可愛らしい市原。
俺はそんな市原の近くに行くと、そのまま、そこで眠りについた。
まだ寝不足で辛かったんだ。

本当は。

それに、市原の目が覚めた時、一番近くに俺がいたいと思った。


だから……






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