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=羽場side=
いえ、そんな…
今、くそジジィとか、市原言ったよなー…
みんな、固まっているし。
あ、俺も固まっているか…
険しい顔をして、校長を睨んでいる。
あの市原が…
俺の、
知らない顔して…
知らない声で…
敵意をむき出しにして…
「幹也…」
「名前で呼ぶな!」
「じゃあ、なんて呼べばいいんだよ?」
「……どうして、そんなこと言えるんだよ…」
腹の底からくいしばったかのような声で市原は言った。
校長は悪気もなく、
「俺たちは親子だろ?」
と口にする。
すると、市原は「僕は認めない。お前なんか!」と声を震わす。
「それに、羽場くんのことも、あんまりだ!」
え?
市原…?
「話、聞いた。羽場くんは…」
「幹也、猫事件の話なら、充分にこっちが悪い」
「どうしてだよ、猫を助けようとしただけ…」
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