追い詰められて校長のカツラ盗撮




天野は声を絞り出しながら、突然、顔の色を変えた。

「!」

「ちょっ!」

パシャッとフラッシュが光る。
その時、校長の頭からカツラが浮いた。



順を追って何があったか説明すると、こうなる。

天野が急に校長の足を引っ掛けて、こかした。
仮にも校長を。
しかも、その時に、ちょっと、カツラが浮いた瞬間にカメラを構えて撮影。


俺は校長が心配になり隠れていたカーテンからその二人の舞台に出てしまった。

が、すでに俺が駆け付けるよりも早く校長は床にたたきつけらえれていて、俺はただ本当に立ちつくす。


引っ込みもつかないし、この状況で何をしたらいいのかもわからない。


「あ、乃木、俺やったよ!」

にっこりと俺の方を振り向く天野。
何も言わずに校長はこっちを見ている。

ただでさえ俺は問題児なのに。

もっと、もっと、校長に顔向けができないことになったんじゃないだろうか。


というか、俺は悪くない。






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