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「天野…?」
「だいたいなんなんだよ、そんなの都合よすぎなんだ!」
「…どうした、きゅう、に?」
「そもそもこんなことで悩んでどうなるんだよ、俺。もう、しかたないんじゃないのか。ああ、きっと青春病の一種に違いない。成長していくうちに完治するはずだ! そうだ、そうに違いない。俺は、帰宅部の設立の最後の一手を考えないといけないんだ! そうだ、そうだった、こんなことしている場合じゃないんだ!」
よし、そうと決まれば、作戦の練り直しをやろう。
「ふぅー、すっきりした」
俺はもう一度椅子に座った。
そして大きく伸びをする。
「天野」
「え、あれ、はい」
どうしてだろうか、先生が供託のところで、俺を睨んでいる。
俺、何かしたっけ。
思いつかないなー…
「天野、今、何をしているんだ?」
先生はそう言った。
俺は正直に答えた。
「青春病について、考えてました!」
しかし、先生は震えながら、怒鳴る。
「馬鹿か、今は数学の授業中だ!」
後で職員室に来い!
そう言い残して、切り良く鳴ったチャイムとともに、数学の教師は教室を後にした。
なんだって、俺が怒られないといけないんだろう。
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