予想だにしない襲撃




=天野side=


「よし、頑張ろう! 帰宅部のために!」

俺は高らかに理想を掲げた。

少しは無謀かもしれないとか思っていたことが今、叶おうとしている。

後、二人、何処かで調達してきたら完璧。


校長の首を縦に振らすなんて俺にできないはずがない。


「二人の部員を集めよう!」

では、今日は解散と言おうとしたら、相談室の扉が開かれた。


「羽場…乃木…」

真城はそう言って固まった。
そりゃ、この学校の問題児が二人も揃っていたら、平凡を愛している彼には刺激が強いのかもしれない。


「話は聞いてた。そこで、提案なんだけど、俺たちの二人が入部を希望してもいいかな?」

乃木は淡々とそう言った。
淡々となのに、市原の方とちらっと見つめてほほ笑む。

正直、気に食わないと思った。


最近の俺、心が狭くなってきている。

信じられない。


本当に、市原が自分だけのものでないと嫌だと思っている。


予想だにしない襲撃。
まるで、それは予告もなく、俺を困らせる。
やっかいだけど、どこか愛おしくて、
嫌えない感情だった。






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