=真城side=


俺は真城祐樹。
どっからどう見ても平均的な高校生。
ただ市原ってクラスメイトに恋をしていること以外は、特記事項にならない、可哀相な普通男子。

そんな、俺が、今、とても信じがたいことに巻き込まれている。

いや、飛び込んでしまったと言った方が、正しい。


「では、本日より、帰宅部を発足にかかりたいと思います。部員は後二人集めたら完璧なので、だましてでも、友人か誰かをここに連れてきましょう!」

天野は楽しそうにそう言った。
植木先生はほほ笑みながらそんな様子を見つめている。

市原は「だましちゃだめだよ」とか言っていて、

どうしてか、
そんな輪の中に俺はいた。


そう、俺は帰宅部とかいう意味のわからない部活動の発足に参加してしまった。


だって、さ、市原と少しでも長くいられるかもしれないだろ。

不純な動機だったけど、いいか。
さようなら、今までの学園生活。

俺、変人のお仲間になります。
ここには可愛い天使がいるので。

なんて、きざなことを言ってみました。

えへへ。


ごめん、母さん、父さん…
俺、平凡な男でやってらんないよ…






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