まずは、議題に戻りましょう
「そう言えば、さっきの時間は何だったの?」
俺は市原に聞いた。
「理科でしたよ」
俺は市原に、聞いたのに、答えたのは真城だった。
「へぇ、何か実験とかしたのかな、市原」
俺は真城を無視して、市原に話しかけた。すると「実験だったよな、市原」と真城は市原と俺の間に割り込んでくる。
だが、しかしだ。
「そういえば、天野くん、ずっとここにいたの?」
「そうだ、帰宅部について、二人でミーティングしていたんだ」
「そうなんだ、でも、授業とかちゃんとでないと…」
「大丈夫だ、俺、頭はいいから、いちお」
「そういえば、そうだったね」
「ああ」
……、
俺と真城がバトルしている間に、また二人の世界がそこにできようとしていた。
「まずは、議題に戻りましょう」
俺はそう言って、ホワイトボードをたたいた。
[*前] | [次#]
目次に戻る→