間違ってはいないんだが…
=植木Side=
しまった。
俺としたことが、熱くなってしまった。
だってさ、まるで二人だけの世界みたいなのを、作っていたんだ。
天野と市原で。
焦ったなぁ馬鹿みたい。
「悪い悪い、天野の自由だよな」
俺としたことがって笑ってみたら、市原は警戒心を解いて、笑った。
きっと、市原は、今さら俺が帰宅部の考えについて否定したと思っているのだろう。
馬鹿ばかしい。
俺は再度、天野の方を見た。
天野は市原に暖かい目線を送っていた。
本当に気付いていないのかよ。
こんなにも、好きですって、態度に出しているのに。
ま、市原の言った、世の中は関係ないって発言、
下手をすると間違っていないんだが…
恋愛は自由だよね。
別に、いいんだよね。
俺が、君を好きでいても、いいんだよね。
「わかってもらえたらいいんです、すみません」
「市原、俺ね、市原のことが、好きだよ?」
「え、ああ、僕も植木先生のこと好きですよ」
「ああ、意味違いだけどな」
どういうことですかと首をかしげる市原を置いて俺は天野と真城の方を向いた。
「そういうことだから!」
これは宣戦予告。
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