あなた方に俺の人生を左右されたくないですから
=真城side=
俺の名前は真城祐樹。
ごくごく普通の高校生。
平凡な毎日に、嫌気がさしている。
だからって特に何もするわけもなく、その平凡のなかにいたけども。
「あなた方に俺の人生を左右されたくないですから!」
「?」
急に相談室の中から大きな声が聞こえてきた。
俺はびっくりして、抱えていた教科書を落としてしまった。
「あわ〜」
拾うのがめんどうだなって思っていたら、俺の教科書を拾ってくれた天使がいた。
彼の名前は市原幹也。
みんなから愛される委員長。
「大丈夫?」
市原はそう言って俺の顔を見上げてきた。
かわいぃ…
「真城くん?」
「え、ああ、ごめん、ありがとう」
「ううん」
穏やかに市原は首を振って笑った。
かなり癒された。
今、かなり癒された。
平凡な毎日が嫌だといっても、そこに市原がいたらいいなって、
俺は、ちょっとおかしい頭になっている。
だってこんなの…
だけど、さ、誰が何と言おうと、そう、さっき聞こえてきたあの言葉と同じ
「あなた方に俺の人生を左右されたくないですから!」状態だ。
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