お前はマジで俺のことが好きなのか?
キョンが泣いているのに戸惑いながら、
俺は、キョンが俺と同じことを
俺に対して聞いたことに、
もしかして、キョンも俺のことを…
なんて期待してしまった。
まさか、そんなはずはない。
普段はなんにも使わない頭で考えても、
思考はまとまらず、
「お前はマジで俺のことがすきなのか?」
と俺は尋ねていた。
わからなければ聞けばいいという、
端的な発想をいつの間にかしてしまったのかもしれない。
呆気にとられた顔をしているキョンを目にして、それが答えなんだと、俺は納得した。
「なんてな、そんなことないよなぁ」
俺は笑ってみた。
作り笑いはもう、慣れっこだった。
そうだ。
そんなことない。
余計な期待などするんじゃない。
何倍も後悔が膨らむだけだ。
俺は思い描いた。
また、キョンのとなりにいられる日常を。
それだけでも十分に幸せなことじゃないかと。
思い、描いた。
壊したくない。
今まで積み上げてきたものを。
なのに…
心のどこかで、
俺が望むものはこんなのじゃないと、
思うのは、
どうしてなんだろう。
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