何食わぬ顔で
「な、キョン、どうしたんだよ」
いつもと変わらない調子で俺は聞いた。
怖かったんだ。
俺ばかりが心配してしまうのも、必死になるのも。
なのに、お前は「こっちくんな!」と叫んで。
俺を遠ざける。
限界かもしれない。
本気で、たえられないかもしれない。
友達でも、キョンのためになれないのか。俺って。
ずっとこのままでいたいなんて…
なんて…どうして…
俺って、キョンにとってそれ程度のものだったのか。
わかっていたつもりでも、今の衝撃は強い。
苦しい。
恋に
本気に
なるなんて
もう二度とないものだと
思っていたのに。
俺って、どうしようもない。
もう、何食わぬ顔をしているのも、
見ているのも、
辛い。
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