駆け引きが下手すぎた
なんぱしようぜ。
ヤキモチやいてくれよ。
俺のそばにいてくれ。
引き止めてくれ。
俺の馬鹿野郎。
屋上の階段を駆け上がりながら、俺は、恥じた。
駆け引きが下手過ぎた。
どうかしているんだ。俺。
「キョン」
俺は屋上にいるお前を見つけると、叫んだ。
必死だった。
なのに、キョンは「何しに来たんだよ」と冷たく言ってきた。
なのに、なのに、俺、どうしようもなく、
好きで。
まだ、お前が好きで。
本当に、どうしようもないと思った。
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