どうしてこうも永遠がほしいのか
「ナンパしようぜ」
俺はそう言って、キョンの肩に手をまわした。
友達っていうことで、許されるであろう、ぎりぎりラインまで、接近してみた。
キョンはそんな俺のことを見ると、
「顔が近い」
と、一言、淡々と言いやがった。
そのそっけなさに、俺はきょとんとした。
まるで、意識されていない。
こんなことなら、いっそのこと、気持ち悪いと言われる方がいいのかもしれない。
「そうか? 悪かったな」
俺はキョンの肩から手を放すと、キョンの前を歩いた。
絶対に、今、最悪な顔をしているであろう俺を、繁華街の人々は優しく、気づかないふりをしてくれた。
キョンの前を歩きながら、俺は、
キョンのことを想っていた。
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