どうしてこうも永遠がほしいのか




「ナンパしようぜ」

俺はそう言って、キョンの肩に手をまわした。
友達っていうことで、許されるであろう、ぎりぎりラインまで、接近してみた。

キョンはそんな俺のことを見ると、

「顔が近い」


と、一言、淡々と言いやがった。

そのそっけなさに、俺はきょとんとした。


まるで、意識されていない。
こんなことなら、いっそのこと、気持ち悪いと言われる方がいいのかもしれない。


「そうか? 悪かったな」

俺はキョンの肩から手を放すと、キョンの前を歩いた。
絶対に、今、最悪な顔をしているであろう俺を、繁華街の人々は優しく、気づかないふりをしてくれた。


キョンの前を歩きながら、俺は、

キョンのことを想っていた。





[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -