７
距離をおかれていることに気が付きました。
あなたは心のどこかで、人のことを遠ざけているのだと思いました。
俺みたいでした。
安心しました。
この人なら、どこまで踏み込んでも、
俺の方には踏み込んでこないんだと。
それ以来、俺は積極的に柏さんの世話を焼きました。
不器用なところとかも、か細いところとかも、
全部ひっくるめて、好きだと思いました。
俺のこと、見てほしいと、思いました。
淋しいのです。
一人、あなたを想うことに…
俺は、あなたが俺のことも見てくれることを願いました。
当初の目的なんて、どうでもよくなりました。
きっと何か、深い意味があったんだと、俺は思いました。
あなたは誰よりも弱くて、だからこそ、優しい人だったからです。
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