俺は昔からたいていのことはできました。

努力しなくてもできました。

できない人の気持ちがわかりませんでした。

俺は常に、人を見下し、馬鹿にしていました。


わからなかったからです。



「真島は、頑張ってるよな」


ある日、あなたがそう言ってくれた時、
俺は、何なんでしょうか。
とても胸の奥がじんとしたのがわかりました。

そうです。

俺は頑張ってなんかいませんでした。


なのに、あなたがそんなことを言いました。



でも、本当はどこかで頑張っていたのかもしれません。

何でもできるのが当り前に思われていて、俺にもそれなりにプライドとかなんだとか、たくさんあって。



だから、



だから…





[*前] | [次#]
目次に戻る→


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -