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「…え?」
俺は思わず、聞き返した。
だが、どうやら聞き間違いではないらしく
「本気です」
と再び真島に言われる羽目になった。
どうしたらいいんだ…か。
「俺、本気で、柏さんのこと、好きです。好きなんです」
俺は真島から、目をそらした。
本気だったからだ。
真剣な顔ほど、苦手なものはない。
俺はすでに分類してあるディスクの資料を、もう一度わけることにした。
落ち着かなかった。
「……真島。寝ぼけてるんじゃないのか?」
俺は逃げるように、ごまかすように言った。
すると、真島は「昨日はちゃんと8時間寝ました」と平然と答えてきた。
「じゃ、どうしてまた、そんな」
俺はわからなくて聞いた。
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