一人でもいいと思いました




「好きです」

俺は固まった。
その一言が痛いほどに胸にしみた。


俺はもう、恋なんて信じない。


君がいなくなってから、20年が過ぎた。

今も、桜の木の下へ通いながら、
俺は生きていた。
ここにこうして生きていることが、
嫌だった。
だけど、

どうしても、死にきれなかった。


だから、こうして生きていることしかできないのかもしれない。

なんとなく夢もなく、何にもなく、ただ、流されて。





[*前] | [次#]
目次に戻る→


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -