一人でもいいと思いました
「好きです」
俺は固まった。
その一言が痛いほどに胸にしみた。
俺はもう、恋なんて信じない。
君がいなくなってから、20年が過ぎた。
今も、桜の木の下へ通いながら、
俺は生きていた。
ここにこうして生きていることが、
嫌だった。
だけど、
どうしても、死にきれなかった。
だから、こうして生きていることしかできないのかもしれない。
なんとなく夢もなく、何にもなく、ただ、流されて。
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