桜の木の下で、俺は、また、君のことを思い出した。

君はもうここにはこない。
あの日、俺のせいで、死んでしまった。
俺が…


「もういない」

泣いてなんかいない。
俺は泣く資格すらない。

なのに、君は、あの時、確かに笑っていた。


まるで、俺が無事なのを安心しているかのようだった。


別れ際の笑顔が、頭から離れない。

俺は、
君にどういう風にあやまればいいのか、
考えていた。


どうしたらいいのか、わからなかった。


いつも、君といたこの桜の木の下で、
一人、君を待っていた。

来ないことは知っていた。


なのに、俺は、待っていた。


君に会いたかった。
傍にいてほしかった。

一人になろうとしたのに、
俺は、
一人になった瞬間から、
君が恋しくて仕方なくなった。


最低だ。





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