同志よ、集え!




もやもやする。
でも、そんな自分が市原に伝わってしまうのは嫌だった。

俺は何事もなかったようにふるまった。
いつも以上に、元気にふるまった。

「同志よ、集え!」

そう言いながら、派手に帰宅部を宣伝してみた。
効果は見えなかったけども。
いいんだ。
その瞬間だけは、俺、市原のこと忘れられた。
醜い感情も、忘れることができたんだ。


これでいいんだ。


俺は、決して、市原を困らせないわけじゃない。


大切にしたいんだ。
そう、大切にしてやりたいんだ。

はじめは自分勝手な想いで始めた、部活発足だけど、
俺、今は、何かが違うって思う。

一人じゃなくて、

そう、


できるなら、帰宅部を、

市原としたいと思う。



ほら、きらきら、している。



ね、好きなことをしてもいんだよ。
市原。
ずっと、誰かのために生きているって、疲れない?
わがまま言ってもいいんだよ。

だって、俺たちの放課後っていうのは

自由

なんだから。


だから、帰宅部。


拘束から、解放されて、自由になれる時間を…
楽しんだっていいじゃないか…

笑って欲しいんだ。

君に。
心から。





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