ね、帰宅部にこだわったのは




=植木side=


俺はどうかしてるんだ。
暇つぶしのつもりだったんだ。
そうだ。そうだと思っていたんだ。
なのに、俺、思い出してしまった。

俺も市原が好きだったって。
ああ、若さっていいよね。
うん。
ちょっと感化されただけだ。
どうってことないはずなんだ。

はずなんだよ?

でも、な、あんなこと言われたら、俺も、教師だとか、なんだとか全て忘れて、協力してあげたくなった。


天野は、どうして帰宅部にそんなにもこだわるのか。
その理由は、部活にはいろうとしない、市原に、部活っぽいことをさせてあげたいからと、きた。

純粋だよな。

全く市原には伝わってないけど。


けどさ、素直じゃない天野も悪いと思うんだ。

「ま、素直になられても困るんだけど」


そう、はじめに市原を見つけたのは俺だ。
儚げにゆれる睫毛が忘れられない。
ほっとおいたら消えてしまうんじゃないかって思わせる存在感が今も、俺の中から消えない。

どうしたら、市原は笑ってくれるのだろう。

俺は考えてたんだ。

でも、わからない。





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